第78回ロカルノ国際映画祭は16日、スイス南部で授賞式があり、三宅唱(しょう)監督(41)の「旅と日々」がコンペティション部門の最高賞「金豹(ひょう)賞」を受賞した。
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ロカルノ映画祭で日本映画が最高賞を受けたのは、小林政広監督の「愛の予感」以来、18年ぶり。過去には衣笠貞之助監督の「地獄門」や市川崑監督の「野火」などが最高賞を受賞している。2015年には濱口竜介監督の「ハッピーアワー」に出演した4人の俳優が最優秀女優賞に選ばれた。
三宅監督は受賞の発表を受けて客席からステージに上がり、「最悪なことがたくさん起きている世界で、映画に何ができるだろうと繰り返し考えていました。この映画を作っている間、何度も映画に対する愛や信頼、この世界に対する愛を感じました。完成した映画を通してみなさんと共有できたら、それほど幸せなことはないと思います」とスピーチした。
「旅と日々」は、漫画家つげ義春さんの「海辺の叙景」と「ほんやら洞のべんさん」を原作に、主人公である脚本家のあてのない旅を描く。シム・ウンギョンさんや堤真一さん、河合優実さんが出演している。国内では11月7日に公開される。
また授賞式では、空音央監督の「まっすぐな首」が最優秀短編映画賞を受賞した。