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三島由紀夫=1967年
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 作家の三島由紀夫(1925~70)が戦後まもない時期の新聞に発表していた随筆が確認された。新進作家として歩み出した22歳の三島が軽妙洒脱(しゃだつ)に抱負を記している。単行本や全集には収録されていなかった。7日発売の文芸誌「新潮」に掲載される。

 随筆の分量は400字詰め原稿用紙3枚弱で、47年6月29日付の日刊紙「新夕刊」に掲載されていた。同紙は戦後に創刊された新興紙。大阪大学大学院人文学研究科の斎藤理生(まさお)教授(日本近代文学)が2月に確認した。

 三島の随筆は「言ひがかり的抱負」と題し、「新人は語る」というシリーズ名がついている。「広辞林」を引いて「抱負」という言葉の意味について吟味した後、さしあたっての執筆計画を示す。「歿落(ぼつらく)した貴族の少年少女のストイツクな恋愛小説」「ロココ趣味の悪趣味な小説」「近親相姦(そうかん)や、サディズムや、マゾヒズムや屍姦(しかん)のてう梁(りょう)する悪徳小説」を書こう、とある。

 斎藤教授によると、三島が残した作品にこの「計画表」にぴったりと合うものは見当たらない。「冗談を入れながら、短い文章でも読者を楽しませる。新人らしからぬ堂々とした三島の姿が感じられる随筆だ」と話す。

安吾の「探偵小説観」見える資料も

 すでに人気作家となっていた坂口安吾(1906~55)の随筆もあわせて確認された。やはり「新夕刊」の掲載で47年4月27日付。

 安吾の随筆は「智能(ちのう…

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