三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長は朝日新聞のインタビューに応じ、売上高にあたる純営業収益について、「グループ内の証券3社を合わせた業界シェアを数年後に25%まで上げる」と述べた。富裕層向けビジネスなどを強化し、グループ3社で野村証券を抜いて業界トップをめざす考えだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、対面証券とネット証券の計11社を対象に、純営業収益から市場シェアを計算。同社を含む三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の証券3社のシェアは、野村証券(27%)に次ぐ18%と試算する。小林氏は「今後、システム投資や人的資本の充実にかなり経費を使う。規模を拡大しないと維持できない」と危機感を示した。
具体的には、富裕層向けビジネスを強化するための新サービスに言及。MUFGと資本提携する米金融大手モルガン・スタンレーの調査を参考にしたドル建ての投資一任契約「ラップサービス」を始める。ドル建てラップサービスの提供は国内大手証券では初めてで、「ドルで資産を持ちたいという富裕層のニーズはかなり強い」(小林氏)とみている。
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