三菱自動車が台湾の受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の子会社に電気自動車(EV)の生産委託をする方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。近く発表する見通しだ。
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関係者によると、三菱自は鴻海に生産委託した車を自社ブランドのEVとして豪州などで販売する。自社でつくるより生産コストを抑えつつ、車のラインアップ拡充につなげられるとの考えだ。
米アップルのスマートフォン「iPhone」の受託生産で成長した鴻海は、EV事業を新たな収益源にすべく、元日産自動車首脳を事業責任者に招いて注力している。劉揚偉・董事長(会長)は今月14日の決算説明会で、日本の自動車メーカーと「1、2カ月以内に契約書にサインできる」と述べていた。社名は言及しなかったが、台湾の中央通信社によると、劉氏はこれまで、ホンダや三菱自の筆頭株主である日産と接触していると明らかにしていた。