三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は27日、インターネット専業の新銀行の設立を含む、新たな個人向け金融サービスを発表した。銀行や証券などグループの各サービスを一体で使いやすくし、ポイント還元も拡充する。三井住友FGはソフトバンクとポイント活用などで手を組んでおり、3メガバンクで個人客の囲い込みを激しく競っている。
三菱UFJFGはこの日、個人向けの総合金融サービス「エムット」を公表。新事業は2段階に分けて展開していく。
まず6月2日に三菱UFJ銀行のアプリを刷新し、カードや証券などグループの各サービスの利用状況が分かるようにする。三菱UFJカードを対象店舗で使えば最大20%をポイント還元するほか、VISA加盟店でタッチ決済が可能なアプリも導入する。
ネット専業の銀行も
26年度中を予定する第2弾では、グループ共通で使える「エムットポイント」をつくり、グループ一体で顧客の取り込みを図る。最大の柱はネット専業の銀行の立ち上げだ。開業に合わせ、顧客の年齢や家族構成、資産状況といったデータを元に、AI(人工知能)が最適な資産運用を提案するサービスも始める。「総合アドバイザリー・プラットフォーム(MAP)」と名付け、子会社のウェルスナビと開発を進めている。
データ収集などのため、家計簿アプリのマネーツリーを買収する方針も併せて発表した。
三菱UFJFGの亀沢宏規社長は会見で「ようやく材料がそろった。我々としては本格的にこの分野で攻勢をしかけていきたい」と述べた。
出遅れた最大手 先行三井住友はPayPayとタッグ
個人向けサービスを競う3メ…