三菱UFJ銀行は、生命保険会社からの出向者の受け入れを原則やめる方針を決めた。金融庁は、保険会社と出向先に癒着が生まれ、顧客の適切な商品選びをゆがめる恐れがあると問題視していた。大手行の受け入れ廃止は初めてで、他行にも広がる可能性がある。見直しは出向元でも進み、日本生命保険、第一生命ホールディングス(HD)傘下の生保が営業目的などの出向をやめる方針だ。
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三菱UFJ銀は銀行業界で最多の200人規模の出向者を、保険会社から受け入れていた。出向者の多くは保険部門の教育・支援にとどまらず、販売・営業に直接携わっていた。同行はこうした販売・営業目的の出向者の受け入れを廃止する。
現在の出向者の大半は、出向元へ戻るか、三菱UFJ銀に転籍する見通し。転籍に伴う給与水準の低下などについて、出向元が緩和措置を検討しているケースもある。
三菱UFJ銀に出向者を最も多く出していたのは、外資系のプルデンシャルジブラルタファイナンシャル(PGF)生命保険で、百数十人いた。PGF生命は、銀行窓口で販売する米ドル建ての一時払いの保険商品などを扱う。昨年5月時点で、全社員996人の4分の1にあたる242人が27金融機関に出向していた。
顧客は保険会社の出向者と知らず契約か
出向者が銀行で保険を販売す…