近鉄四日市駅前の地下駐車場には雨水が流れ込み、多くの車が動かせなくなっていた=2025年9月12日午後11時30分ごろ、三重県四日市市、読者提供

 暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になった影響で、三重県北部では12日夜、短時間で猛烈な雨が降った。名古屋地方気象台によると、同県四日市市では、1時間降水量として観測史上最大となる123.5ミリを記録した。

 週末の夜でにぎわっていた近鉄四日市駅前では、豪雨によって道路や商店街など一帯が冠水し、身動きが取れなくなる車が相次ぐなどして混乱した。

 午後11時半ごろ、飲食店員の男性(19)は、駅前の地下駐車場にとめていた車を地上に避難させたものの、道路の冠水で動けなくなり乗り捨てたという。

 ほぼ同時に地下駐車場にも水が流れ込んでいった。様子を確認しようと男性が途中まで階段を下りると、水に流された車が、地下駐車場の入り口をふさいでいた。

 「本当に短時間で水かさが一気に増えた。まさか四日市でこんなことになるなんて」と男性は驚いていた。

 気象庁は、四日市市付近で12日午後10時までに1時間で約120ミリの雨が降ったといい、「記録的短時間大雨情報」を発表し、安全を確保するよう呼びかけた。四日市のほか、近隣市町の菰野町やいなべ市などでも12日夜に警報級の大雨となった。

 三重県災害対策本部の13日午前6時時点のまとめによると、県内で人的被害は確認されていないという。菰野町では住宅への床上浸水が2件、床下浸水が7件あった。四日市市でも床下浸水の被害情報が多数寄せられており、床上浸水もあったとみられ、被害を確認している。13日午前6時までの24時間降水量は、四日市市が259ミリ、いなべ市が139ミリだった。

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