東日本大震災からまもなく14年になる。宮城県南三陸町の漁場は漁師らの奮闘で津波の被害を乗り越えた。後継世代も戻った海に最近、異変が起きている。

 養殖カキの出荷最盛期を前にした1月、宮城県南三陸町の後藤伸弥(40)は浮かない表情だった。「昨季から死滅が目立つ。海水温が高い影響かも」。14年前の東日本大震災の後、需要が大きく伸びた「殻つき」を更に広げるため、「何とか順調に育っていてほしい」と願った。

戸倉SeaBoysの4人と高校生らが演じた南三陸町のPR動画の一コマ。テレビ局主催の「みやぎふるさとCM大賞」で最高賞の大賞を受けた=東日本放送提供

 震災の前、地元産カキは身が小さく、味が薄いと評価が低かった。復興を機に養殖棚を3分の1に減らすと、大きく育ち、甘みも増した。海の環境も改善し、2016年には持続可能性に配慮した養殖場として、国内初の国際認証を受けた。

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