大規模な再開発が都内で相次ぐ中、自治体や事業者と、地域住民が対立してしまうケースも出てきている。地域住民とどう足並みをそろえて、再開発を進めていくか。一つの成功例として注目されているのが、世田谷区の下北沢だ。
再開発されたのは、小田急線東北沢駅と世田谷代田駅の間の線路跡地約1.7キロ。2013年にこの2駅を含む3駅間を地下化する計画があり、不用になった線路のスペースを活用するというのが目的だった。
当初、地域住民は強く反発した。区が03年、同エリアの道路拡張や駅前ロータリーの整備計画を決定すると、狭い路地に小さな商店が並ぶ「シモキタらしさ」が失われるなどと、批判が相次いだ。住民の一部は、認可の差し止めなどを求め、訴訟を起こした。
11年の区長選が転機になっ…