カンサイのカイシャ ここがオモロイ!
板金職人がつくるスタイリッシュなたき火台、包装に使われるリボンから生まれた本のしおり――。下請け企業の強みを探り、新たな「顔作り」に伴走するデザイン会社があります。町工場や地場産業の悩みに耳を傾け、つながった事業者は1千を超えました。
先週は岡山。今週は石川、長野……。
「年間200日は、全国を飛び回っています」。そう話す「セメントプロデュースデザイン」(大阪市西区)の金谷勉社長(53)には、企業や自治体から商品開発や勉強会の依頼が後を絶たない。
職人の一手間、たき火台で表現
熊本県山鹿市の丸山ステンレス工業の丸山良博社長(52)は2018年、金谷さんの評判を知り、講演会があった神戸市へ足を運んだ。
1973年創業の会社を継いで十数年。精密板金加工の技術で、半導体製造装置の部品などを手がけていたが、すべて下請けだった。
発注に頼らない事業をつくれないか。丸山さんは悩みを打ち明けた。
金谷さんが伝えたのはまず…