函館バス本社=2023年9月、北海道函館市高盛町

 北海道函館市などで路線バスを運行する「函館バス」と連合系労働組合・私鉄総連函館バス支部との労使紛争をめぐり、支部と組合員2人が近く、函館弁護士会に人権救済を、函館地方法務局に人権侵犯の被害を申し立てることを決めた。裁判で会社の違法性が何度も認められているにもかかわらず、改善の姿勢を見せないため踏み切った。

 2021年以降、支部は民事訴訟や労働委員会への不当労働行為救済申し立てを相次いで起こし、会社側の敗訴や労働委による救済命令が続いている。支部代理人の倉茂尚寛弁護士(札幌市)は「函館バスは司法判断にすら従わない。あらゆる手段を駆使して紛争解決を目指す」と話す。

 申立書によると、会社は組合員2人に対し、支部と結んだ労働協約に反して、労使協議を経ずに遠隔地への配置転換を決め、異動に応じないことを理由に懲戒解雇。正当な組合活動をしたことに対する報復人事であり、憲法13条が保障する人格権や25条1項が定める生存権を侵害するものだとしている。

 会社にとって不都合な行動を…

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