将棋の福間香奈女流五冠(32)が体調不良のために不戦敗となり「白玲戦」「女流王将戦」の二つのタイトル戦(いずれも挑戦者)を敗退したことを受け、日本将棋連盟は30日、報道陣の取材に応じた。体調不良は妊娠によるもので、福間女流五冠は連盟側に不戦敗ではなく、日程を変えて対局できるよう調整を求めていたことを明らかにした。
ただ、調整は難航し、連盟側は不戦敗を決めたという。連盟常務理事の清水市代女流七段は「各棋戦で年間スケジュールが組まれていて、対局日程の後ろ倒しが次期開催や他棋戦にも影響が出る。全ての女流棋士や主催者に関わる問題もあり、変更が難しかった」と説明した。
一方、連盟は、女流棋士が妊娠・出産のために一方的な不利益を被らないよう新たなルール作りの検討を始めたことを明らかにした。
福間女流五冠は8月に妊娠を公表し、出産は12月を予定している。今月4日には、11月17日から来年2月12日まで休場すると連盟を通じて公表していた。福間女流五冠は11月5日にはタイトル保持者として倉敷藤花戦三番勝負の第1局を迎えるが、連盟は延期を含めて日程の検討をしているという。(杉村和将)