捜索活動に従事する自衛隊員ら=2025年5月16日午前、愛知県犬山市の入鹿池、保坂知晃撮影

 「真面目で、期待の星だった。墜落したという事実を認めたくない」。航空自衛隊のT4練習機の墜落事故で行方不明になっている新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県)所属の2等空尉、網谷奨太さん(29)について、かつて教育部隊で指導した経験がある航空幕僚監部広報室の2等空佐、浅岡浩和さん(50)が、愛知県犬山市の捜索現場で15日に取材に応じ、悲痛な思いを口にした。

 浅岡さんは、数年前、浜松基地の教育部隊で教育飛行隊長を務めていたころ、当時訓練生だった網谷さんを指導したという。網谷さんについて、パイロットに必要な素質であるコミュニケーション能力や判断力などに優れていたと振り返る。「元隊長として、彼の成長を楽しみにしていた。(墜落は)うそじゃないかと思いたい。悔しい」とうつむいた。

 事故機には、網谷さんと同じ新田原基地所属の1等空尉、井岡拓路さん(31)も搭乗。2人を乗せた機体は14日午後3時6分に同県の小牧基地を離陸し、2分後にレーダーから消失。防衛省は犬山市の入鹿(いるか)池に墜落したとみている。

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