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カナデビアの桑原道社長=2025年7月1日午前11時28分、大阪市住之江区、諏訪和仁撮影

 カナデビア(旧日立造船)の桑原道社長(62)が朝日新聞のインタビューに応じ、昨夏以降、船舶エンジン事業などで相次いで発覚した不正について「経営トップのリテラシー不足が最大の要因だった」と語った。自らも不正を耳にしつつ放置していたと認め、「反省するしかない」と謝罪した。

 昨夏の不正発覚後、桑原社長が個別インタビューに応じるのは初めて。船舶用エンジンのほか、橋梁(きょうりょう)や鋳物製品、ごみ処理施設の管理など幅広い事業で不正が広がっていたことについて「何度となくあった業績の苦しい時期に赤字回避のプレッシャーが現場にかかっていた。それぞれ歴史も異なる事業なのに、内向きの論理で『仕方がないもの』として定着してしまった」と語った。

 外部弁護士らの調査委員会は30年以上続いた有明工場(熊本県)での船舶エンジン不正を断ち切る機会は「3度あった」と指摘。2012年にあった内部告発は握りつぶされ、15年に報告を受けた当時の古川実会長、谷所敬社長は不正の継続を黙認した。品質不正事案の多発で17年に経団連が会員企業に自主的な調査を求めた際にも正面から向き合わなかった。

 桑原社長は「長期間にわたる…

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