不正融資問題についての会見の最後に、再び謝罪するいわき信用組合の本多洋八理事長(右)=2025年5月30日午後7時59分、福島県いわき市、西岡臣撮影

 不正融資を続け、隠すためにまた別の不正を重ねる。一端が明るみに出ても、調査を妨害し、隠そうとする。いわき信用組合の第三者委員会が30日に公表した報告書は「我が国の金融機関の歴史を見ても類例をみないほどに悪質」と指摘した。

 福島県いわき市内のホテルで30日夕に開かれた会見には、70人以上の報道関係者が詰めかけた。

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 第三者委員会が2時間近く不正の詳細を説明した後、辞任を表明している本多洋八理事長らが登壇した。濃紺のネクタイを締めた本多理事長は冒頭、「信用を第一とする金融機関として極めて重大な不祥事を発生させ、深くおわび申し上げる」と20秒近く頭を下げた。組織については、「大きな不祥事を抱えて地方創生に取り組む『表』と『裏』の二面性を持つ特異な金融機関だった」と振り返った。

 不正を主導したとされた江尻次郎元会長について、本多理事長は「絶対的な存在」で逆らえない面があったと述べた。

 その上で、自身も5年前に…

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