学校という箱に収まりきらない子どもたちがいる。「学校に執着しなくても、学びを充実させることはできる。自分を責めず、まず興味あることを楽しんで」。学校に通うのがつらい子に、そう伝えたいというのは、広域通信制高校1年生で、起業家兼社長でもあるレウォンさん(15)だ。
保育園のころから、一人で園庭の隅で木の実や石を拾っている子だった。突然、「ピンクが好き」と言い出し、ピンクの服ばかりを着たこともある。型通りに動くのは苦手で、野球やサッカーはやりたくないが、木登りや絵本は大好き。公民館のアートクラブでの工作には目を輝かせ、小学生になってからは自分の体験を「本」にして学校に持っていくほど、創造性に富んでいた。
だが、小学4年生の夏休み前から、登校をしぶり始めた。板書を自分なりのまとめ方でノートに書いていたら、担任に「黒板通りに書き直しなさい」と叱られた。授業中に、不思議に思ったことを尋ねたり、発展的なことを話したりすると、無視された。委員会活動で、学校行事について改革を提案した時は、「例年通りで」と取りあってもらえず、人が信じられなくなった。
学校が無駄とは思わないが……
「学校が無駄だとは今も思っていません。ただ、議論して考えを深めることや探究が大切だと言っているのに、教科書の範囲、先生や友達の求めることしか言っちゃいけない雰囲気が学校にはある」
登校前の腹痛が続き、保健室…