岐阜市立草潤中学校の鷲見佐知校長。図書室にはテントやハンモックが置かれている=2024年7月22日午前10時43分、岐阜市金宝町4丁目、浦島千佳撮影

 不登校の小中学生は2022年度、約29万人と過去最多を更新し、各地で様々な対策が模索されている。東海3県初の公立の不登校特例校(現・学びの多様化学校)として開校した岐阜市立草潤中学校の鷲見佐知校長に、子どもとの信頼関係の築き方や学びの届け方を聞いた。

 ――どのような生徒が入学してくるのですか。

 集団が苦手だったり、不安や緊張が強かったりで、様々なことにストレスを感じてきた子が多いです。心身ともに疲弊し、エネルギーがない状態で入学してきます。

 ――どう受け入れるのでしょう。

 まずは安心です。大きくは二つあって、一つは安心できる場所ですね。

 草潤には色々な部屋があります。図書室はビーズクッションやテントでくつろげますし、教室が苦手な子が1人で過ごせるようパーティションで仕切られた部屋もあります。ここなら安心できるという場所を見つけていくのです。

 もう一つは人です。草潤に来る子たちは、人とつながることに苦手意識を持つ子たちが多い。だから、先生というのは信頼できる大人なんだということを体感させてあげたいと思っています。

 悩んだ時に人に相談できた、周りに助けてもらったという経験は、卒業後に困難にぶつかった時の力にもなるのではないでしょうか。

難しい見極め

 ――どう信頼関係を築いていくのでしょう。

 まずは受け入れることです…

共有
Exit mobile version