小学生の自習を見守り、勉強でわからないところがあれば一緒に解きほぐす。中学生から勉強方法や進路の相談があれば、年齢の近い先輩としてアドバイスする。春休みや夏休みに三重県東員町で開かれている「To in ひばり教室」は、ボランティアの大学生や若い教員が子どもたちの学びを支えている。活動場所はショッピングモールにも広がる。代表で、愛知県内の公立中学教諭の松永朋樹さん(24)=同町=にその狙いを聞いた。
3月26日から4日間、同町のイオンホールで開かれた「To in ひばり教室」。松永さんたち実行委員会が主催している。未就学児から高校生まで、無料で学習参加がOK。学生ボランティアが、訪れた子どもたちに応対し、机とイスが並ぶ学習スペースで勉強を見守る。子どもを連れてきた保護者は、その間、買い物に行くこともできる。
――「To in ひばり教室」の活動は、どのように始まったのですか
2020年に東員町の成人式の運営委員を務めた同級生たちの声が上がったのがきっかけです。運営委員に教職志望の学生や子どもにかかわる仕事をしている人が多かったこともあって、学習支援をすることになりました。
イオンホールを無償提供してくれるという提案があり、ずっと会場としてお借りしています。メンバーは就職などで入れ替わりがありますが、現役の教員を含め、高校生や大学生9人で運営しています。
――どんな子どもを対象にしているのですか
どんな子どもでも、楽しいと思って来てもらうのが一番だと考えていますが、やはり、不登校だったり、学校には通っているけれども勉強に遅れていたりする子どもが、気軽に来てくれたらと思っています。学習塾に行きたいけど、家から遠かったり、経済的に厳しかったりして通えない子どももいます。勉強をしたいけど機会に恵まれない子どもの受け皿の一つになれば、と思います。
子どもへの接し方も、まずは笑顔で迎え、自習を静かに見守ったり、わからないところがあれば個別に教えたりしています。中学生から勉強の仕方や進路の相談を受けることもあります。
――ボランティアの学生にとっても、教える経験になりますね
教職を志望している学生も多いので、子どもとの接し方や興味を持ってもらえる教え方を学ぶ場にもなっています。また、高校生や大学生がボランティアをする機会や、それを運営する体験になればと考えています。
――これから活動をどう展開していきますか
3月にいなべ市のモノづくり複合施設「FUJIHUB」で学習支援のイベントに参加しましたが、初めて東員町の外での活動でした。そういった出張授業も広げていきたい。
今後は、行政などと連携しながら、小学校や中学校で学習支援をする機会ができたらと願っています。
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「To in ひばり教室」の次回開催は、8月16、17、18、25、26日にイオンモール東員イオンホールAで予定している。