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8日に開所したササランド。小学校の旧校舎から教育支援センターへと生まれ変わった=2024年3月15日、長野市七二会、菅沼遼撮影
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 学校に通えない小中学生の新たな居場所として長野市が整備した教育支援センター「SaSaLAND(ササランド)」が今月8日、オープンした。平日午前9時~午後3時に無料で利用でき、出入りは自由。スタッフ約10人が子どもたちの学びや遊びを支え、保護者の相談にも応じる。

 同市七二会(なにあい)にあった七二会小学校笹平分校の2階建ての旧校舎に整備され、旧教室を活用した遊び場や自習室などがある。1日30~50人程度が利用できる。時間割はなく、農業、飼育、野外活動など、どのようにして過ごすかは子ども自身が決める。利用者は在籍校に出席した扱いになる。

 長野駅と川中島駅発着の無料送迎バスも運行する。昼食を食べる場合、学校給食費に準じた約300円の負担が必要になる。

 また、自宅から出られない子どもがコミュニケーションの機会を得られるよう、オンラインの仮想空間上に「メタバースSaSaLAND」を設置。信州大学の学生ボランティアがメタバース上での交流や学習を支える。

 市教育委員会によると、2022年度に30日以上欠席した不登校の児童・生徒は809人いた。市内には他に7カ所の教育支援センターがあるが、いずれも常駐のスタッフは1人と少なく、遊び場も狭い。利用希望者を受け入れきれない状況になっていた。

 市は24年度予算にササランドの運営経費と施設の長寿命化工事に1億2千万円を計上。荻原健司市長は「一人ひとりに丁寧に向き合い子どもたちをサポートする施設になってほしい」と話している。(菅沼遼)

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