子どもの不登校で悩む親の孤立を防ぐため、民間団体が今春、不登校の親向けのオンラインコミュニティー「不登校の親ネット」を開設した。ラインのオープンチャットを利用し、匿名で全国の同じように悩んでいる親とつながれる。
運営は、不登校の子らの学習支援を行うキズキ共育塾、オンラインフリースクールのBranch、不登校新聞の元代表の石井しこうさんが共同で行う。
Branchを運営する中里祐次さんは、「特に行き渋りや不登校になったばかりの初期段階では、情報もなく誰ともつながれていない人がまだまだ多い」と指摘。「そういう人たちに情報交換や気持ちを吐き出す場として使ってもらいたい」と話す。
コミュニティーは、ライン上のオープンチャット「不登校の親ネット」にニックネームを登録すれば参加できる。不登校に関する悩みや自身の体験などを共有し情報交換ができる場で、4月の開設以降すでに300人超が参加。石井さんらが定期的にコミュニティーに向けて情報発信もする予定。
不登校の当事者や未成年の参加は不可とし、あくまでも親を対象としたコミュニティーだ。午前8時~午後11時を利用時間としている。「(子どもが)また朝起きられない。半ばあきらめの気持ちです」「この場があってよかった」など思いを打ち明ける投稿が多い。
石井さんは、「親自身の気持ちが追い詰められると、子どもへの対応もきつくなり、子どもはもっと苦しむことになる。子どもにとって親はすごく大きな存在だからこそ、子どもを支えるためにも、まず親を支えることも大切だ」と話す。