石破茂首相と面会後、取材に応じる江藤拓農林水産相=2025年5月19日午後6時40分、首相官邸、岩下毅撮影

 米価高騰が国民生活を直撃するなか、江藤拓農林水産相から飛び出した「コメは買ったことがない。支援者がたくさんコメをくださる。売るほどある」発言。与野党から「極めて不適切」といった批判が相次いだ。野党は辞任を要求するなど攻勢を強め、石破政権は終盤国会に向けて新たな火だねを抱えた。

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 立憲民主党の小川淳也幹事長は19日、記者団の取材に対し、江藤氏の発言について「進退が問われかねない深刻な事態だ。庶民感覚からかけ離れた不適切さ、不穏当さだ」と語気を強めた。

 日本維新の会の前原誠司共同代表は「不適切にもほどがある。米価を必死になって下げようとしていなかった。消費者に寄り添っていなかった農水相の本音が垣間見えた」と批判。国民民主党の玉木雄一郎代表も「配慮に欠けた発言だ。売るほどあるなら売ってくれと多くの国民に思われても仕方ない」と断じた。

 この問題が長引けば、政権運営や夏の参院選にも影響する。自民党の森山裕幹事長は19日の記者会見で「配慮を欠いた発言だった」と指摘し、発言撤回で「決着」を図りたい考えを示した。石破茂首相も江藤氏を首相官邸に呼び、厳重に注意したことで幕引きを狙うが、自民幹部は「これは痛い。すぐ支持率に響く」と危機感を示す。

 野党からは農水相としての資…

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