衆院選東京選挙区で、与党VS野党の構図がひときわ明確だったのが9区(練馬区の一部)だ。自民党、公明党の推薦を受け、無所属で出た元経済産業相の菅原一秀氏と、立憲民主党公認で元新聞記者の山岸一生氏が激しく競る選挙戦となった。結果は山岸氏が約1万票差をつけての勝利。朝日新聞社の出口調査が示唆するのは、接戦での無党派層の力の大きさだ。
出口調査は9区の30カ所の投票所で実施。1431人から有効回答を得た。 9区では当初、派閥の裏金問題で党の公認を得られなかった元衆院議員、今村洋史氏も無所属で出馬を予定していた。事実上、自民党の分裂選挙となると見られていたが、今村氏は公示日直前に立候補を断念。一方、菅原氏は公示後、自公から推薦を得て、バックアップを受ける形になった。
出口調査からは、与野党対決の構図がくっきりと浮かぶ。
支持政党について自民と答えたのは31%、立憲としたのは20%、無党派層は21%だった。支持政党別に投票先をみると、自民支持層の72%、公明支持層の大半が菅原氏に入れたと回答。立憲支持層の88%、共産支持層の7割強が山岸氏に投票したと答えた。いずれも支持層を堅実にまとめたといえそうだ。
明暗を分けたとみられるのは…