ゲームの世界市場は2023年に約30兆円に達し、なおも拡大を続けている。26日に開幕した世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ」もそうした広がりを映し出している。今年は海外からの出展が過半を占めるなど、グローバルを意識した要素がより色濃くなった。潤沢な資金を背景に開発力を高める海外勢に、日本のメーカーは対抗できるのか。ゲーム専門誌「週刊ファミ通」の嵯峨(さが)寛子編集長に、変化を続けるゲーム業界について聞いた。
――東京ゲームショウでは、ソニーグループのプレイステーション(PS)5Pro(プロ)が初めて披露されて注目を集めました。ただ、日本での希望小売価格の約12万円には驚きました。
「現代であのスペック(仕様)の機械をつくろうとしたら、そうなるだろうなと思います。ゲーム機は5万~6万円くらいという今までの意識があるので高いと思ってしまうのですが、PS5プロのスペックを考えれば、決して高いというものではないと思います」
――発表直後には「この値段ならゲーミングPCを買うほうがいい」という声もありました。
「ただ、実際にPS5プロと同じ水準のゲーミングPCを買うとしたら、12万円では足りないと思います。ゲーミングPCは選択肢が多くて難しく、知識も必要。場合によっては20万~50万円かかります。PS5プロは難しい設定もなく、高い性能で遊べるので、そういったコストパフォーマンスを考えると、良いゲーム機だと思います」
――ゲーム機に10万円を使う時代になってきたということでしょうか。
「技術はどんどん進歩していて、グラフィックの美しさや動画のコマ数など、良いものを一度体験してしまうと戻れない。ソフト開発会社も質の高いゲームを開発していますし、PCも進化しているので、ゲーム機の性能も上げざるを得ないのだと思います。充実したゲーム体験を提供するというPSの方向性は続くと思うので、価格は上がっていくと予想しています」
東京ゲームショウでも海外勢が躍進、開発費は数百億円?
――世界市場ではPCが伸び…