スーパーに並んだ米国産のカルローズ米=2025年5月8日午後5時24分、埼玉県越谷市、山田暢史撮影

 コメの価格高騰が続くなか、外国産米の輸入も話題になっています。ところで、そもそも世界にはどんなコメがあり、日本のコメとはどのように違うのでしょうか。農林水産省で働いた経歴を持つキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁さんに聞きました。

 ――世界のコメにはどのような種類があるのでしょうか。

 まず、世界のコメは大きく「短粒種」と「長粒種」の2種類に分けられます。短粒種は円形に近く、粒が小さくて短いジャポニカ系と呼ばれるコメです。粘り気があるのが特徴で、「こしひかり」や「あきたこまち」といった日本で作られるコメは短粒種が基本です。

 長粒種はインディカ系と呼ばれる長くて細いコメで、インドやタイなど世界で最も多く生産されています。水分量が少なくパサパサしており、調理するとパラパラになるのが特徴です。そのほか、主に米国カリフォルニア州で生産されている中粒種は、短粒種と比べると長くて大きいジャポニカ系ではありますが、世界全体での生産量は多くありません。

 コメは他の農産物と同様、全く同じ品種を栽培しても気候風土によって全く違うものが出来上がります。たとえば、同じコシヒカリでも、新潟県産と千葉県産では味や品質に明確な違いが感じられます。生産地によって個性が生まれる点が、農産物の面白さのひとつといえるでしょう。

 ――日本のコメの品質は世界基準で見ても高いのでしょうか。

 とても高いと言えると思いま…

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