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強い日差しが降りそそぐ中、日傘をさして歩く人たち=2025年5月20日、東京都八王子市

 世界気象機関(WMO)は28日、2025年から5年間の世界の平均気温が、気候変動対策の国際ルール「パリ協定」で目指す産業革命前からの気温上昇幅1.5度を上回る確率は70%だとの分析結果を発表した。24年も1.5度を超えたが、危険な暑さが常態化するおそれを示している。

 WMOによると、5年平均の気温が1.5度を超える確率は、23~27年は32%、24~28年は47%だった。しかし、温暖化は悪化の一途をたどり、25~29年は約1.5倍になった。

 また、25~29年のうちの少なくとも1年は、観測史上最も暑かった昨年の世界平均気温を上回る確率は80%だった。「今後5年間は気温が記録的な水準か、それに近い水準で続くと予想される」という。

 WMOのコー・バレット副事務局長は、「これは私たちの経済、日常生活、生態系、そして地球にますます悪影響を与えることを意味する」とコメントしている。

 気温上昇幅が1.5度を超えると生命にかかわる猛暑や豪雨の頻度が高まるとの研究結果があり、各国はパリ協定のもとで対策に努めている。目標の評価には、複数年の長期的な気温上昇幅を使うため、単年で1.5度を超えても「達成できなかった」とは解釈しない。ただ、1.5度超えの状況が続けば同じ目標を掲げ続けるのかといった点が議論を呼ぶ可能性もある。

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