2018年12月21日、ホルムズ海峡を通る石油タンカー=ロイター

 国際エネルギー機関(IEA)は17日、世界の石油需給を予測した報告書を発表した。イスラエルによる産油国イランへの攻撃で市場が動揺しているが、IEAは今後数年間は石油の供給が需要を大幅に上回るとの見方を示した。

 報告書では、世界の需要増を牽引(けんいん)してきた中国の石油消費が、電気自動車(EV)の普及などで2027年にピークを迎えると指摘。先進国でも消費が減るため、世界の石油需要は30年までに頭打ちになり、30年は昨年より250万バレル多い1日あたり1億550万バレルと予測した。

 一方、30年の世界の石油生産能力は、昨年より510万バレル多い1億1470万バレルに拡大する見込み。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)で増えるほか、シェールオイルを増産してきた米国もペースは鈍化するが増加すると予測する。「基本的な条件に基づけば、石油市場は今後数年、十分な供給が見込まれる」(IEAのビロル事務局長)としている。

 イスラエルによるイランの攻…

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