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ヘリカル型の核融合炉のイメージ=ヘリカルフュージョン提供

 世界で開発競争が加速する核融合発電について、日本のベンチャーも「世界一番手」の実現に名乗りを上げ始めた。先行する米国勢には水をあけられているが、技術開発だけでなく、資金調達も進んでいる。世界一をめざす意義は何か。勝ち筋はあるのか。

 「日本に太陽をもう一つつくる。地下資源に頼らずに、技術でエネルギーを生み出す」

 11日、都内で会見を開いた核融合スタートアップ「ヘリカルフュージョン」(東京)の田口昂哉(たかや)・代表取締役CEO(最高経営責任者)は、世界初の核融合による実用発電に乗り出す考えを示した。

 SBIインベストメント社や、慶応大の立ち上げたベンチャーキャピタルなどから、累計で52億円の投資を受けたことを明らかにした。

「日本のお家芸」の炉型も 先行は米ベンチャー勢

 核融合は「地上の太陽」とも呼ばれ、太陽内部で原子核同士が融合して膨大なエネルギーが生み出される反応を、人工的に再現する技術だ。燃料となる水素の同位体などを海水から調達できる可能性があり、次世代のエネルギーとして期待が高まる。理論上では燃料1グラムから石油8トンを燃やしたのと同等のエネルギーが得られる。

 米国では28年にも電力供給…

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