世界初の木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」が完成したと、京都大学と住友林業が28日発表し、実物を報道陣に公開した。衛星は6月4日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に引き渡され、今秋にも宇宙空間に放出される。
京大と同社が2020年4月から取り組んできた「宇宙木材プロジェクト」で、開発は約4年がかり。1辺10センチの立方体の超小型衛星で、重さは約1キロ。北海道紋別市の同社の社有林で伐採されたモクレン科のホオノキが使われている。木材同士の結合には金属や接着剤を使わず、「留形隠し蟻組接ぎ(とめがたかくしありくみつぎ)」と呼ばれる日本の伝統技法を使って直接つないでいる。
宇宙空間は温度変化が激しく強い宇宙線が飛び交う過酷な環境だが、米航空宇宙局(NASA)やJAXAの厳しい安全審査をクリアした。
9月に打ち上げられる米スペースX社のロケットで国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれ、10月中に日本の実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出される。
宇宙ゴミ(スペースデブリ)…