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マレーシアの首都クアラルンプールにあるネガラ動物園内で、カピバラと同居するネコのオーイェン=2024年5月6日、半田尚子撮影
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 マレーシアの動物園に「世界最大のネズミ」と暮らすネコがいる。

 茶トラで、名前は現地の言葉でオレンジ色を意味する「オーイェン」だ。首都クアラルンプールのネガラ動物園でカピバラ9匹と同居している。

 オーイェンがカピバラ舎にすみ着いたのは2020年ごろ。「動物園にネコを捨てに来る人が多い。オーイェンも子ネコの時に捨てられたのでは」と担当者は話す。

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 それにしてもなぜカピバラ舎に? カピバラは南米原産のネズミの仲間で、生物的な分類は異なる。食べる物は植物の葉やニンジンなどの野菜で、オーイェンは関心を示さない。

 見た目も似ていない。カピバラは体長約1メートル、重さ110キロほどと、ネコの10倍以上も重い。毛色も違う。

 カピバラは元々臆病で繊細な性格だ。当初、動物園は「ストレスがかかるのでは」と心配し、オーイェンを追い出そうとした。しかし、カピバラに頭をこすりつけ、折り重なって眠る姿を見て、「家族として受け入れられた」と判断した。

 いま、オーイェンはカピバラのエサの時間にキャットフードを与えられ、一緒に飼育員の健康観察を受けている。

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