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結婚後初めて沖縄県を訪問し、「平和の礎」を視察する天皇、皇后両陛下(当時は皇太子ご夫妻)=1997年7月、沖縄県糸満市摩文仁
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 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは4日、東京・羽田空港発の特別機で沖縄県を訪問する。戦後80年の戦没者慰霊と記憶継承の旅の一環。沖縄では太平洋戦争末期の地上戦で12万人以上の県民が犠牲となった。ご一家は1泊2日の日程で激戦地となった本島南部などを巡り、生存者や遺族、戦後世代の語り部らと懇談する。

 両陛下にとっては2022年以来の沖縄訪問で、即位後2度目。愛子さまにとっては初めて。4日はこれまでと同様、本島南部の糸満市へ足を運び、国立沖縄戦没者墓苑で供花。軍人、民間人含めて日米の沖縄戦戦没者ら20万人以上の名を刻んだ「平和の礎(いしじ)」を視察する。県平和祈念資料館や、翌5日に訪れる那覇市の対馬丸記念館では戦争体験者らと懇談する予定。

 天皇、皇后両陛下は今回の沖縄訪問に、まだ現地を訪れたことのない長女愛子さまを同行させる。戦争の惨禍を「若い世代にも引き継いでいってもらいたい」との願いからだ。

重く複雑な歴史 昭和天皇の「沖縄メッセージ」に衝撃

 皇室と沖縄には、重く複雑な歴史がある。450年続いた琉球王国が明治政府によって解体され、日本に併合された(琉球処分)後、「皇民化教育」が徹底される。天皇の名のもとに行われた先の大戦。沖縄は本土防衛の時間稼ぎの戦場とされ、県民の4分の1人が犠牲となった。戦後は1972年まで米軍統治下に置かれ、現在も米軍基地が集中。重い負担を強いられている。

 79年には米公文書から、昭…

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