購入したはずの中古車が知らぬ間にスクラップされていた……。ある中古車販売店で、代金を振り込んでも納車されないなどの被害が相次いでいる。さらに、この店を経営する業者(本社・東京)は、カーオークションに関してもトラブルを抱えていた。関係者への取材から、業者の実態が浮かび上がった。

 店舗名は「カーネル」。業者は「株式会社WOOROM.(ウーロン)」といい、「全国に14店舗展開」をうたう。ホームページでの告知はないが、関係者によると4日時点で全て閉業しているという。

 広島県で定時制高校に通う女性(20)は「買った車がスクラップにされたと知って、とてもショックだった」と話す。

 4月に広島県内の店舗でセダンタイプの車を購入。納車に2カ月ほどかかると言われ、指示通り約50万円を振り込んだ。

 しかし、2カ月経っても連絡がない。店舗に行っても誰もおらず、「車両はキャンセルとさせていただき、返金を社長までご依頼ください」という貼り紙が貼られていた。購入したはずの車の情報を管轄の運輸支局などで照会すると、すでに解体されていたことがわかった。

カーネルの元店主が店舗に出した貼り紙。購入者に法的措置を検討するよう勧めている=広島県東広島市、関係者提供(画像の一部を加工しています)

 数日後、「WOOROM.」の社長を名乗る男性からショートメッセージで「来週中には解決するよう準備している」と届き、返金の意思を示された。その後も同様の連絡が繰り返されたが、何の対応もない。

買った車が目の前にあるのに…

 40代の女性も広島の店舗で…

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