中国の中央銀行である中国人民銀行

 中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行が企業へ貸し出す際の目安となる「最優遇貸出金利(LPR)」の1年物を0.25%幅引き下げ、3.10%にした。引き下げは3カ月ぶり。人民銀行は9月下旬、政策金利と位置づける7日物の短期金利を引き下げており、これに歩調をあわせた動きだ。景気が減速してきており、テコ入れを急いでいる。

 住宅ローン金利の目安となるLPR5年物も0.25%引き下げ、3.60%に設定した。5年物の引き下げも3カ月ぶりとなる。10月18日に発表された7~9月期の中国の実質の国内総生産(GDP)は、前年同期比4.6%増で、前期(4.7%増)より減速。景気の先行きに不透明感が強まっている。

 中国政府は2024年の成長率目標を「5%前後」としている。政府はその目標達成に向けた対策を相次いで打ち出していて、同行も預金準備率の引き下げなど複数の金融緩和策を実施している。今後、大規模な財政出動に動くとの観測も出ている。(北京=鈴木友里子)

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