2024年2月22日、台湾を訪問して次期総統に当選した頼清徳副総統(右)と会談した米国のギャラガー下院議員(肩書はいずれも当時)=台湾総統府提供
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 中国外務省は21日、米議会で対中強硬策を主導してきたマイク・ギャラガー前下院議員に対し、中国国内の財産凍結などの制裁を科すと発表した。「中国の内政に干渉し、利益を侵害する言動を頻繁に行った」ことへの対抗措置としている。

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 ギャラガー氏は米議会の対中強硬派の代表格で、4月に下院議員から引退した。下院では「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」の委員長を務めていた。中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の全米での利用禁止につながる規制法の制定も主導した。2月には米議員団を率いて訪台し、新総統への就任を決めていた頼清徳(ライチントー)氏と会談した。

 最近のフォーリン・アフェアーズ誌では、トランプ米前政権の大統領副補佐官だったポッティンジャー氏とともに、バイデン政権が掲げる対中競争の「管理」ではなく、中国に対する「勝利」を果たさなければならないと訴えている。

 中国は米国のTikTok規制法を批判してきた。また、米国と台湾との間に正式な外交関係がないのに、元米政府高官らを頼氏の就任式に派遣したことなどにも強く反発している。就任式翌日にギャラガー氏への制裁を発表することで、米側を牽制(けんせい)する意図を込めたとみられる。(北京=畑宗太郎)

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