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フィリピン人漁師を監視するように停泊する中国船=2016年12月13日、スカボロー礁付近、矢木隆晴撮影

 中国とフィリピンが領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)をめぐり、中国政府は10日、「国家級の自然保護区を新設することを承認した」と発表した。中国による実効支配を強めるねらいがあるとみられる。

 スカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるが、中国が実効支配し、フィリピン漁船の航行を妨害するなどの措置をとってきた。近年は中比両国が権利を明確化する法規制の策定や手続きを進めるなど、対立がエスカレートしている。

 中国政府の10日の発表は、自然保護区について「黄岩島のエコシステムの多様性と安定性、持続可能性を守る」と説明。中国の自然保護区条例などの法規制に従って違法行為への監督を強めるとしており、フィリピン側の漁業などに対してさらに強硬な措置を取る可能性もある。

 南シナ海の大半について「歴…

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