中国・上海のターミナルでコンテナを積み込む機械=AP

 中国の税関総署が9日発表した5月の貿易統計(ドル建て)は、米国向けの輸出額が前年同月比34.5%減の288億ドル(約4兆2千億円)となった。減少幅は4月の21.0%減から拡大。中国と米国は5月中旬、相互に掛け合っていた超高関税を115%分ずつ削減することで合意したが、米中間の貿易環境は悪化したままだ。

 5月の米国からの輸入も前年同月比18.1%減の108億ドル。減少幅は4月の13.8%からさらに拡大し、3カ月連続のマイナスとなった。対米輸出から輸入を差し引いた中国の米国に対する貿易黒字は同41.5%減の180億ドルとなった。

 米中間では関税の掛け合いが4月上旬からエスカレートし、一時は米国の対中追加関税が145%、中国の対米関税も125%に達した。5月中旬に互いに115%分ずつ削減することで合意したものの、その後も中国のレアアース輸出管理に米国が不満を表すなど緊張関係が続いていた。

 一方で、欧州連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)など中国の米国向け以外の輸出は増えている。この結果、中国の5月の輸出総額は同4.8%増の3161億ドルとなり、輸出額全体は引き続き拡大を続けた。

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