中国北西部・甘粛省蘭州市楡中県で8日、前日から降り続く豪雨により土石流が起き、10人が死亡、33人が行方不明になっている。国営中央テレビが報じた。さらに被害が広がる可能性があり、習近平（シーチンピン）国家主席は対策を急ぐよう重要指示を出した。
同テレビによると、中国北部が局地的な大雨に見舞われ、蘭州市では7日からの降水量が200ミリを超えた。テレビの映像は、濁流によって道路が寸断されたり、救助隊員が住民を避難させたりする様子を伝えている。8日昼までに350人以上の避難が完了したという。
中国北部は降雨量が少ない地域だが、7月以降、亜熱帯高気圧の縁から流入する暖かく湿った大気の影響で歴史的な大雨被害が続いている。首都・北京でも7月31日までに44人の死亡が確認された。
こうした事態を受け、習氏は8日、「異常気象が頻発していることに鑑み、慢心することなく、早期警戒と緊急態勢を強化し、大衆の安全を確保する必要がある」とする重要指示を出した。また、中央政府は同省などへの災害支援のため1億2千万元（約24億6千万円）を拠出すると発表した。
