インド政府は27日、中国政府との会談で、両国の主要都市を結ぶ直行便の再開について基本合意したと発表した。コロナ禍や国境対立などの影響で2020年以来停止していた。
インドのミスリ外務次官が26~27日、中国の首都北京を訪問し、孫衛東外務次官らと会談した。
両国間を結ぶ便は現在、香港経由はあるが、首都同士などを結ぶ直行便は出ていない。今後、関係機関が再開に向けた具体的な手続きを協議していくという。
両国は20年に国境地帯で双方の兵士が衝突した後、関係が急速に悪化した。ただ、昨年10月にインドのモディ首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が約5年ぶりとなる公式会談を実施し、雪解けが進んでいた。
インド外務省によると、今回の会談では、中国チベット自治区にあるヒンドゥー教徒らの巡礼地の訪問を今夏に再開することなどでも合意したという。
一方、中国製の輸入品が増え、インドの貿易赤字が続く経済・貿易分野については、「具体的な懸念事項について議論した」などと記すにとどめた。