政府が「スタンド・オフ・ミサイル」と位置付ける12式地対艦誘導弾能力向上型の装備車両=2025年6月8日、静岡県の東富士演習場、矢島大輔撮影

 防衛省が導入をめざしている敵基地攻撃能力(反撃能力)を持つ長射程ミサイルの最初の配備先が発表された。一部の計画を前倒しするなど、軍事行動を活発化させる中国を念頭に配備を急ぐ。専守防衛に徹してきた自衛隊にとって大きな転換点となるが、運用面では課題が山積している。

 防衛省によると、1千キロ超の射程があるとされる12式地対艦ミサイル能力向上型のうち、すでに25年度に前倒し配備が発表されていた「地発型(地上発射型)」に加え、新たに護衛艦から発射する「艦発型」、戦闘機から発射する「空発型」も2027年度に1年ほど前倒し配備。「島嶼防衛用高速滑空弾」の配備も25年度に前倒しされる。

 いずれも政府が「スタンド・オフ防衛能力」と位置付ける長射程のミサイルだ。

 九州南方から南西諸島周辺では近年、中国の艦艇や無人機の活動が活発化している。米情報機関の分析では、中国は27年までに台湾侵攻作戦を展開する能力を保有するとみられており、政府はこの「27年」を強く意識して、「抑止力と対処力の要」であるスタンド・オフ・ミサイルの配備を急いできた。

 防衛省の担当者は「侵攻してくる部隊を阻止できる能力を早めに実戦配備することが喫緊の課題だった」と説明する。

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