事件で亡くなった胡友平さんを悼み、現場となったバス停に市民が供えた花=中国のSNSから
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 中国・蘇州の日本人学校の送迎バスが襲われて案内係の胡友平さん(当時54)が死亡し、日本人母子が負傷した事件にからみ、中国のソーシャルメディアなどが相次いで反日的な投稿の規制を始めた。ネット上の過激な排外主義の言動を警戒した当局が対策に乗り出した可能性がある。

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 中国のネット検索大手・百度は6月30日付の発表で、約300件の日中対立や極端な民族的感情をあおる投稿を規制したと公表。投稿やアカウントを削除したとみられる。発表文は、凶行を阻もうとした胡さんを「日本のスパイ」とする中傷や、「日本人は全滅すればいい」といった書き込みがみられたとし、厳重に規制する方針を示した。また、「理性的な愛国心があってはじめて大国のネットユーザーの自信を持つことができる」とも述べた。

 中国メディア財新によると、26日深夜の微博(ウェイボー)を皮切りに、微信(ウィーチャット)や抖音(ドウイン)といったソーシャルメディアも取り締まり開始を発表。普段から政権に批判的な投稿は厳しく管理しているとみられるが、反日的な投稿への取り締まり方針を公表するのは異例だ。

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