フィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にある南シナ海のサビナ礁付近で中国の調査船が確認されたと、フィリピン沿岸警備隊が7日発表した。「潜水艦が通過可能な場所を地図化できる」として警戒を強めている。サビナ礁では5月、中国による埋め立ての痕跡が見つかり、占拠される懸念が出ている。
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スプラトリー(南沙)諸島にあるサビナ礁は、フィリピン軍が拠点を置くアユンギン礁から東に約60キロの近距離にある。南シナ海や台湾をめぐり、中国と対立する米軍が使用できる滑走路を建設中のバラバク島からも、200キロ足らずだ。
調査船が目撃されたのは4日。3日からサンゴ礁の環境調査を行っていたフィリピンの研究者チームが遭遇した。中国海警局の船数隻やホーバークラフトが接近してきて、「訓練中だ」と無線で退去を迫ったという。
沿岸警備隊によると、専門家の1人は調査船について、海底の地形を調べ、どの地点に潜水艦が潜行するのに十分な深さがあるかを地図化する能力があるとしている。
サビナ礁をめぐっては、フィリピン政府が5月、中国船がサンゴの残骸を投棄して埋め立てを行っている兆候があると発表した。
「補給ラインが絶たれ、実効支配が困難に」
アユンギン礁の西にあるミス…