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写真・図版
2025年版の「防衛白書」=佐藤瑞季撮影

 2025年版の防衛白書が15日、公表された。中国の軍事活動をめぐり、昨年1年間の太平洋上での中国軍空母の発着艦回数が1200回を超え、「遠方での作戦能力の向上」を指摘。「わが国の安全に深刻な影響を及ぼしうる状況となっており、強く懸念される」と危機感を示した。

 白書では、中国の軍事行動を2022年策定の国家安全保障戦略に基づき、「わが国と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的挑戦」と定義し、「わが国の総合的な国力と同盟国・同志国などとの協力・連携により対応すべきもの」とした。昨年8月の中国軍機による領空侵犯や、9月の中国海軍空母による領海に近接した海域での航行に言及した。台湾周辺での軍事活動の活発化については「台湾の統一に向けた軍事作戦の一部が演練された可能性がある」と指摘した。中国とロシアが共同飛行し、中国軍の戦闘機が空中給油を受けて西太平洋へ長距離にわたって飛行した事例もあげ、「より遠方での作戦能力の向上がみられる」と分析した。

 ロシアについても、昨年9月…

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