G7と招待国首脳らが出席した拡大会合で、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の発言を聞く岸田文雄首相(テーブル奥左から4人目)ら=2024年6月14日午後3時、イタリア南部プーリア州、代表撮影
  • 写真・図版

 世界は「多様で相互に関連し合う、複数の危機」に直面している。主要7カ国首脳会議(G7サミット)では14日、厳しい情勢認識が共有された。欧州、中東、インド太平洋、デジタル空間……。旧来の国際秩序を主導したG7は重大な挑戦を受け、その意義を問われている。

 「中国のロシア支援に深刻な懸念を表明する」

 今回のG7サミットを特徴付けたのは、従来以上に強い、中国への警告だった。首脳声明には、ロシアのウクライナ侵攻について中国が事実上「共犯者」であると認定するような文言が盛り込まれた。中国企業などへの追加制裁を検討することも示唆された。

 13日には象徴的な場面があった。サミットに招かれたウクライナのゼレンスキー大統領が、中国の習近平(シーチンピン)国家主席との電話協議で習氏から直接、「ロシアに武器を売ることはない」と聞いたと明らかにした。傍らにいたバイデン米大統領はすぐに「中国は武器を製造する能力と技術を提供している。実際にロシアを助けている」と指摘。この認識は、G7の首脳声明にそのまま反映された。

 中国は直接的に戦争に関与し…

共有
Exit mobile version