中国東北部の遼寧省瀋陽市にある商業施設付近で26日昼ごろに爆発が起きたと、香港紙・明報などが報じた。施設には23日に習近平(シーチンピン)国家主席が視察に訪れていた。同紙はネット上に投稿された動画などをもとに、複数のけが人が出たという見方を伝えている。
爆発があったと報じられた場所は、同市瀋河区の「大東副食品商場」の入り口近くの路上。爆発の原因や規模は明らかになっていない。この施設には食料品を売る店などが並び、習氏は29日の春節(旧正月)を前に市場の品ぞろえや市民の生活を視察する目的で訪れ、国営メディアで大きく報じられていた。
中国メディア・紅星新聞は26日夜、商業施設入り口付近の人通りの多い場所で爆発が起きたと伝えたが、まもなく削除され、表示されなくなった。中国のSNS上でも爆発の情報は出ていない。
27日朝に記者がこの商業施設を訪れると、買い物客らでにぎわう一方で、あちらこちらに多くの警察官らが配置され、周囲を警戒していた。地元の警察関係者が事件後、周りの店舗にいた人や通行人らのスマートフォンを調べて爆発関連の動画や写真をネット上に拡散させないよう削除させたとする情報もあり、当局が今回の爆発の取り扱いに神経質になっているとみられる。