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同志社大学大学院の三牧聖子教授=東京・築地、上田幸一撮影

 トランプ米政権が、米国に滞在する中国人学生のビザを「積極的に取り消す」方針を打ち出しました。米国の狙いや今後懸念される点について、同志社大大学院の三牧聖子教授(米国政治)に聞きました。

  • 米政府、中国留学生ビザを「積極的に」取り消しへ 発給基準も見直し

 米国の大学の開放性が中国に利用され、留学生を通じて先端技術が流出する事態は防ぐ必要があり、今回の措置も安全保障上の措置といえる。

 しかし、トランプ政権の大学攻撃は、中国人留学生にとどまらず広範に及んできた。留学生は大学の収入源でもあり、それを断てば大学の財政基盤は弱まる。多様性や国際協調など、トランプ政権が敵視する価値観を追求する大学を弱体化させる狙いも透ける。

 「中国共産党とのつながり」を条件としたビザ取り消しという手法では、対象の選別が恣意(しい)的になり、ビザ発行の規制対象が広がっていきかねないという人権の観点からの懸念もある。

 事実トランプ政権は、パレス…

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