中国共産党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が開かれた北京の京西賓館。周囲の高い壁の向こうに「中国共産党万歳」の文字が見える=2024年7月10日、畑宗太郎撮影

 北京で開かれていた中国共産党の重要会議「中央委員会第3回全体会議(3中全会)」が18日、閉幕した。会議では「改革の全面的深化をさらに進め、中国式現代化を推進することに関する党中央の決定」を議決し、その概要がコミュニケ(声明)として公表された。盛り込まれた改革案を中華人民共和国建国80年となる2029年までに完成するとした。

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 5年に1度の党大会から一定期間をおいて開かれる3中全会は、共産党が中長期の経済方針を決める場として注目を集める。今回のコミュニケでは中国経済の停滞や、指導部が国家安全を過度に重視しているとの不安にこたえる形で、「発展と安全を統一的に計画する」ことを打ち出した。

 特に経済分野では、不動産と地方債務、中小金融機関を「重要なリスク領域」と位置づけて必要な措置をとるとした。

 指導部は2035年までに「ハイレベルの社会主義市場経済体制」を完成させることを目標とすることを打ち出した。税財政体制の改革や収入分配制度の改善にも取り組むとしている。

 ただ、いずれの施策や改革も、具体策は示していない。党は数日後に、決定の全文を公表すると見込まれている。(北京=斎藤徳彦)

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