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中国当局の捜索を受けたとされる米調査会社が入居していたビル=2023年6月28日、北京市、畑宗太郎撮影

 中国当局は、2023年3月に拘束した米調査会社「ミンツ・グループ」北京事務所の中国人社員5人を解放した。25日、ロイター通信が同社関係者の話として伝えた。

 ロイターによると、同社は「かつての同僚が家に帰って家族と会うことができ、中国当局には感謝している」としている。

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 中国当局は社員の拘束時、同社事務所の捜索も実施。中国メディアはその後、顧客企業に提供する情報の内容や取得経緯が問題視された可能性を報じている。

 共産党政権は欧米勢力の浸透への警戒感から、外国政府や企業への「スパイ行為」への取り締まりを強めている。経済の変調が続く中、外資企業の誘致を進める一方、「国家安全」を重視する姿勢も崩していない。

 同社が摘発された23年3月には、帰国間際だったアステラス製薬の男性社員がスパイ容疑などで拘束された。昨年11月に初公判が開かれたが、起訴内容も明らかにならないまま拘束が続いている。

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