日本に永住帰国した中国残留日本人孤児らの一行が、中国黒竜江省ハルビン市を訪問した。孤児たちはこれまで4度、団体で養父母への感謝を表す目的で訪中してきたが、高齢化が進み、今回が最後の訪中団との位置付けだ。10~14日に滞在し、現地の人々と交流する。
孤児らは敗戦前後の混乱で家族らと離別し、中国の養父母らに育てられた。両親が日本人であることなどを条件に日中両政府に認定された残留孤児は、厚生労働省によると2818人いる。
孤児たちは、裁判の末に勝ち取った老後の生活保障策が実施され、生活が安定した後の2009年から訪中団を組んできた。健在だった養母や自治体政府関係者らを招いて交流会を開いたり、当時の温家宝首相に面会して感謝の気持ちを伝えたりしてきた。四川大地震の際には、現地に寄付金を寄贈した。
今回の訪中団は孤児20人と、配偶者、2世ら計87人。最年少の孤児は80歳。直前で体調を崩しキャンセルを余儀なくされた人もいた。
実の子のように育ててくれた養父母への恩
11日は、黒竜江外国語学院で、敵国の子どもだった自分たちを育ててくれた養父母への感謝の気持ちを伝える演劇や歌唱を公演した。
披露された劇「孤児の涙」で…