中国国営中央テレビ(CCTV)は2025年5月25日、中国海軍の空母福建が試験航行を加速していると伝えた=CCTV画面から

 防衛省は8日、中国海軍の空母「遼寧」が7日に東京・南鳥島の南西約300キロ沖の太平洋を航行し、日本の排他的経済水域(EEZ)に一時入ったと発表した。伊豆諸島からグアムを結ぶ「第2列島線」を越えた中国軍空母の活動を日本側が確認し、公表するのは初めてだ。

 中国軍空母をめぐってはこれまで九州・沖縄から台湾、フィリピンに延びる「第1列島線」を越える動きは確認されていたが、今回「第2列島線」を越えた活動が明らかになり、防衛省は「この海域で中国の活動をおさえてきた米軍の抑止力が機能していないのではないか」(関係者)と危機感を強めている。

 同省によると、EEZに入ったのは、空母遼寧とミサイル駆逐艦2隻、高速戦闘支援艦1隻。7日午後6時ごろ、南鳥島の南西約300キロのEEZ内を航行しているのを確認した。8日にはさらに南西の海域に進み、空母に艦載されている戦闘機やヘリコプターの発着艦を行った。海上自衛隊の護衛艦が警戒監視にあたったという。

 複数の防衛省関係者によると…

共有
Exit mobile version