欧州連合(EU)は11日、中国から輸入する電気自動車(EV)に対し、追加関税の代わりに「最低価格」を設定する方向で協議に入ったと発表した。米国が「トランプ関税」で世界経済を揺さぶるなか、「敵の敵は味方」と接近する中国に、EUは態度を見直しつつある。
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EUは昨年10月、中国製EVの価格が、中国政府の補助金で不当に抑えられているとして、その効果を打ち消す最大35・3%の相殺関税を発動。譲歩を引き出したい中国は、EU域内での販売価格の下限「最低価格」の設定を代替案に、交渉を続けてきた。
EUの行政を担う欧州委員会の報道官は11日、貿易と経済安全保障を担当するシェフチョビッチ欧州委員が中国の王文濤商務相と8日に電話で協議し、追加関税の代替として最低価格を検討することで合意したと明らかにした。
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