海上自衛隊が初めて確認した中国海軍の空母「福建」=自衛隊提供

 防衛省は11日、中国海軍の3隻目となる最新空母「福建」を海上自衛隊が初めて確認した、と発表した。2022年に進水して試験航行を重ねており、今回は東シナ海を航行していた。中国側は2025年にも実戦配備するとしており、防衛省は監視と情報収集を行っている。

 防衛省によると、11日午後1時ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島の北西約200キロを南西に進む「福建」と、ソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、ルーヤンⅡ級ミサイル駆逐艦の計3隻を、海自のP3C哨戒機が確認した。

 甲板上に艦載機は確認されなかった。その後、日本の領海に近づくことはなく、南西方向に航行していったという。

 福建は、最大排水量8万トン、全長315メートルで、「世界最大の通常動力型軍艦」とされる。多くの燃料や弾薬を搭載したうえで、艦載機の運用が可能とされる。中国軍初の電磁カタパルト(射出装置)を備え、従来の2隻の空母「遼寧」「山東」と違って飛行甲板の先端部が米空母のように平坦なのが特徴だ。

 「福建」の投入は「台湾有事」も念頭に置いているとみられ、就役すれば中国軍の作戦遂行能力が大きく向上するとみられている。

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